へら鮒釣りのルール

他のほとんどの釣りでは、釣果を上げるためにさまざまな工夫がされていて、釣技もより多く釣るために変化していきます。

もちろん、へらぶな釣りでもより多く釣るためのテクニックはありますが、それがある一定のルールに縛られた中にあるのが特徴です。

例えば、ハリの数は2本以下、生きエサは使用禁止、使用する竿は1本、竿掛けを使用、撒きエサ禁止、ウキを使うなどほぼ全国統一のルールです。

どんなにたくさんのへら鮒が釣れようが、このルールからはみ出してしまうと、それはもうへらぶな釣りとは言いません。そして、このルールがへらぶな釣りをよりおもしろい釣りにしているといえます。

へらぶな釣りでは、ミミズやアカムシ、サシなどの生きたエサは使いません。麸やグルテン、ペレット、ウドンや角麩などを使います

スポンサーリンク

へらぶな釣りの黎明期

へら鮒釣りは関西の釣り堀から発生したのちに関東に広まり、その後関東ではしだいに野釣りが主体になって行きました。

ですから、へらぶな釣りが始まったばかりのころは、竿などの道具も釣り堀で釣りやすい仕様になっていました。それが関東で野釣りが盛んになり、だんだんと野釣り用の竿や仕掛けが開発されていきました。

へらぶな釣りの黎明期には現在のような長尺でも軽いカーボンロッドもなく、さまざまな試行錯誤がなされました。

例を3つ上げると、1つはリール竿によるへらぶな釣りです。

現在では、リールでへら鮒を釣る人はいませんが、昔のへらぶな釣りの解説書には「釣趣を損なわないためになるべく小型のリール・・・」といった記述のあるものもあります。

もうひとつが、脈釣りによるへらぶな釣りです。ウキのトップの部分だけを道糸に通しアタリを取ります。

流れの強い川などで一時盛んに行なわれた釣りですが、その後ウキの進歩やいわゆる中通しオモリを使用したドボン釣りの発達と共に消えてしまいました。

実際に、脈釣りをやってみると思いの外アタリもよくわかり、竿を握っている手に直接ゴツゴツというアタリを感じるおもしろさがありました。

3つ目は「バカ取り」と呼ばれた補助竿を使う釣りです。

例えば、水深が10mほどもある深場の場合、10尺ほどの竿に釣りたい深さの仕掛けを付けます。8mなら8mの道糸です。

振り込みなどはせず、タナまで持つしっかりしたエサをポンと手で水に入れます。当然、手前に障害物などはない前提です。

するとウキは3mほど先の穂先のところに立ちます。このウキの動きを見てウキが動いたらアワセをします。

大変なのはここからで、3mの竿に8mの道糸ですから、そのままでは取り込みができません。

あらかじめ用意しておいた、穂先にヘアピンのような糸を引っ掛ける部分が付いた、バカ取り竿で道糸を引っ掛けそのバカ取り竿で取り込みます。

深場では、バカ取り竿が1本では足りず2本を使うこともありました。

この釣りは主にダム湖で行われた釣りです。相模湖の巨ベラ釣りのナイターでは、ポイントによっては定番とも言える釣り方でした。

関東のへらぶな釣りは、佐原水郷の野釣りが人気を集めました。今では消えてしまった釣り場も多くあります。写真はヘラブナ釣りの聖地とも言える横利根川です

へら鮒釣りのおもなルール

【ハリの数は2本以下】

ハリを3本とか4本とか付けて釣ってはいけません。必ず2本以下にします。1本バリは障碍物の多い場所などで例外的に使用します。また、通常はカエシのないスレバリを使用します。

通常は2本バリで釣ります。また、バラケエサをオモリのところに付ける釣りもルール違反という考え方です

【竿は1本】

竿は1本で、竿掛けを使用します。ただし、水の増減が激しい釣り場や横利根川のように流れが出たり止まったりする場合には、他の竿を替え竿として用意しておく場合もあります。

例えば、流れのない場合は13尺で釣り、流れが出てきたら15尺のドボンにして釣る、というようなぐあいです。しかし、一度に使用する竿は必ず1本です。

【食わせて釣る】

イカリバリやハリをたくさん付けての引っ掛け釣りはへらぶな釣りとは呼びません。必ずエサを食わせて釣ります。

釣り堀や管理釣り場などの釣り大会では、スレ取り禁止のところがほとんどです。

野釣りでも、基本的にはスレで釣るのはルール違反です。野釣りの例会等では、確認が難しくトラブルの原因になるのでスレに関して規定を設けない場合もあります。

乗っ込み期など、ごくたまにカラダにイカリバリをぶら下げた、巨べらを見ることがありますが、へら鮒釣りではそんなことをして釣ってもなんの意味もありません。

管理釣り場や釣り堀で開かれる月例会や大会では、スレ禁止がほとんどです。へらぶな釣りでは、スレをいかに少なくするかもウデのうちです

【生きエサ禁止】

ミミズや他の生きたエサはへら鮒釣りでは使いません。もともと植物性のプランクトンを食べているへら鮒ですが、ワカサギ釣りのサシエサにかかったり、ルアーにかかったりする場合もあります。しかし、へら鮒釣りでは、生きエサは禁止されています。

【玉網の使用】

再放流が前提のへら鮒釣りでは、魚を大切に扱うことが基本。必ず玉網を使用し、少しでも魚を傷つけないようにします。

最近では、ハリハズシを使いへら鮒を手荒く扱う釣り師も多いですが、吻端(ふんたん)を傷付け唇無しのヘラブナにしてしまう事も多いのでオススメできません。

昔は魚を傷つけないためにわざわざ絹の網を作ったりもしました。絹網は水キレも良く使い勝手もいいですが、値段が高いのと弱いという弱点があります。

【その他】

以上の基本的なルールの他に、釣り堀によっては使用竿の長さ制限やウキ下の制限(いわゆるメーター規定)などのローカルルールがある場合もあります。

また、オカメの2本バリも例会で禁止されている釣り会が多いと思います。これは、オモリの部分にバクダンのような大きくて固いバラケを付け、2本のハリにオカメを付ける釣り方です。

この釣りと似た釣り方で、上ハリにウキが沈没するような大きなバラケを付け、下バリオカメという釣り方もあります。

これも釣り会によっては「ウキは必ずナジませて釣る事」という規定を設けてあるところがあります。

【へらぶな釣りのマナー】

野釣りでは、後から入釣した人は、前にいた人より長い竿を出さない、どんなに釣れている人がいても、一定の距離以上は近づかないなどの慣例的な決まりもありますが、これはルールというより、マナー。

せっかく楽しく釣るわけですから、お互い不快な思いをしないようにしたいですね。