弓型と砲台型万力の違い

竿掛け用の万力には、大きく分けると2つのタイプがあります。

弓型と砲台型です。

もともと竿掛け用万力は、舟釣りの時に使用する道具でした。陸釣りの場合は、直接竿掛けを土に差し込んでいました。昔からヘラブナ釣りをしている人なら、先端に金属製の石突きが付いた竿掛けを見た事や使ったことのある人もいると思います。

河川も今のようにコンクリート護岸されているところは少なく、竿掛けを土に刺してその後ろにパイプイスを置いて釣るというのが、ごく普通の野釣りのスタイルでした。

その後、イスから釣り台に変わるとともに、竿掛け万力は必須の釣具となっていきました。

昭和22-23年ごろのヘラブナ釣りです。わかりにくい写真ですが、すでに舟用の万力を使用しています。この頃は貸しボートも少なく、農家に交渉をして農舟を借りたりしていました

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弓型万力

最初は舟用の万力をそのまま陸釣りで釣り台に付けて使っていました。ですから、弓型の万力が一般的でした。

角度調節は、弓の部分をスライドさせて行います。初期の製品は弓部が大きく、弓のカーブもなだらかでした。

素材も、金属、竹、杜松、紫檀、黒檀、欅、柿、鹿角などさまざまな物が登場しました。

カーボン竿の登場以前は、基本的に竿が重く必然的に万力も大型でガッチリしたタイプです。

総竹製の万力です。上品な造りで、竿受けの部分の長さもしっかりと調節できます

砲台型万力

昭和も終わりかけの頃に登場したのが、砲台型万力です。いつ頃からあったのか、ハッキリした記憶がなくて、申し訳ないですが弓型万力よりかなり後になってからできました。

弓型万力と比べて、角度調整が細かくできるのが良い点です。

物によっては、カウンター付きの万力もあり便利です。

ただ、ひとつ注意したいのが、弓型万力ではほとんどの製品が竿掛けの上下と左右も調節できますが、砲台型万力は、ほぼ真正面固定の製品が多くなります。

たまたま入ったポイントが根掛かりが多く、ほんの少し左右どちらかにズラしたい時などは苦労します。

使い勝手は、弓型万力より良いので、新しく買うなら砲台型をおすすめします。

万力の使い方のコツ

【ネジ締めツマミを外側にする】

写真のように、釣り台や桟橋に固定する時には万力を締めるツマミを外側にします。

理由は、ツマミを手前にするとエサ付けの際にハリスが絡む事が多くなります。とくに長いハリスを使う時にネジ部が手前にあると、よくハリが引っかかってしまいます。

【砲台型万力は少し竿を持ち上げて調節】

竿掛けの角度を調節する時に、竿を軽く持ち上げて、角度調節のネジを回すと簡単に回ります。とくにネジ部にかかる負荷の大きい長竿ほど、効果があります。

ネジの長さを変える事で竿掛けの高さを細かく設定できます

【万力金具の大きい方が使いやすい】

2つの万力の金具の部分を見ると、だいぶ大きさが違うのが分かると思います。下の方が、かなり大きいですね。

最近では、この金具の小さい製品が多くなりましたが、小さい留め具は止めた木を掘ってしまいます。ボートなどに付けられた横木を見ると、穴が空いているようになっているのを見かけますが、この金具は大きい方が安定もするし、しっかり止まります。

もちろん、この金具はクルクル回転する事が大切です。回転しないような製品はほとんど無いと思いますが、念のため確認しておいてください。回転しない金具では、思うように万力が止まりません。

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